アポロ13号の旅

クルマの色を塗り替えてきれいになったことから、早速 1 泊 2 日で温泉旅行に行ってきました。行き先は福島県いわき市です。ところが、
往きと帰りにそれぞれトラブルが発生して、アポロ 13 号の旅のようになってしまいました。

往き

走行性能に関るところは一切いじっていないにもかかわらず、きれいになったと思うだけで嬉しくなってしまい、アクセルを踏む右足にも
力が入りがちです。

目的地も近い茨城県の中郷のパーキングエリアでトイレ休憩のため、止まりました。さて、後、数十キロだから17時過ぎには宿に
着くだろうと思いつつ、キーを回したところセルモーターが回りません。

気のせいだったらイイナーなんて思いながら、もう一回キーを回します。気のせいでないことは本人が一番良く分っています。やっぱり
セルモーターは回りません。レッカーで運ばれるクルマ、宿までタクシーでの移動、不機嫌になるカミさん、泣き叫ぶ子供など、
悪いイメージが頭の中で渦まいてしまいます。

まずはセレクタレバーがPに入っているか確認します。入っています。ジェネレーターが壊れてしまいバッテリーに充電されていないことを
疑いますが、ウィンカー等は点灯するのでバッテリーがあがっているわけでは無さそうです。

JAF を呼ぶ前に、いつも修理でお世話になっている BRM に電話します。事情を話し、指示を仰ぎます。まずはセレクターレバーの
スイッチ故障かどうか確認します。セレクタレバーを何度も動かしたり、動かしている最中にキーを回したりしますが、かかりません。
これが原因ではなさそうです。

次にエンジンルーム内のセルモーターの配線チェックです。時間は未だ 17 時前ですが、あたりは暗くなっています。こういう時のためにと
懐中電灯はもっていますが、滅多に使わないので電池切れです。アイテテテ。慌ててパーキングの売店で電池を買ってきます。
「みんな懐中電灯もってても滅多に使わないから電池切れちゃうんだよねー」と BRM のご主人が電話の向こうで話しています。
はい、その通りです。

ボンネットを開けて、懐中電灯で照らしながら配線を確認していきます。特に切れたり外れたりしているところは無さそうです。
セルモーターは狭い場所にあるので、殆ど手探りでの確認です。運転席からセルモーターにきているコードの接続部分を押しながら
カミさんにキーを回してもらったところ、あっけなくエンジンがかかりました。根本原因は分りませんが、キーとセルモーターをつなぐ
コードの接触不良が原因でした。

エンジンがかからなくなってから、15 分で復旧です。あー、良かった。これで旅館に着くことができます。阿鼻叫喚のイメージが
頭の中から消えて、おいしい食事や温泉のイメージに差し替わります。

この後、無事に宿まで辿り着き、過去も含めたクルマのトラブル話で盛り上がったことは言うまでもありません。

これでレッカー移動になったりすると、笑い話では済まなくなります。自走できると笑い話で済むのがいいところです。考えたら、
カミさんも多少のことには動じなくなりました。いいことやら、悪いことやら。

帰り

翌日は快調のまま帰途につきます。高速道路を走行中、水温計がタコメータのように針が振れるのに気付きました。しかも、どんどん
右の赤い方向に振れていき 4/5 のあたりを指しています。

水が洩れているのか、水温計のセンサーが壊れたのか原因が分りません。オーバーヒート対策として、ある一定の温度になると
ラジエーターを冷やすためのファンが回りだします。走行している間はいいですが、渋滞にはまってファンが回りっぱなしになると
バッテリーの電力を消費して嫌だなあと思っているうちに渋滞にはまってしまいました。

電源温存のため、ヘッドライトを消したりラジオを消したりします。昨日の電話での指示による修理といい、電源温存のため、スイッチを
消したりと、まるでアポロ 13 号です。アポロ 13 号もヒューストンからの指示で修理をしたり、電源温存のため、大気圏突入まで不要な
電源を切ったりしていました。

結局、水温計はおかしいまま、自宅まで無事に辿り着きました。多少、慌てましたが、今回も無事に自走して帰れて何よりです。

(2007 年 1 月 6 日)