これがきっかけでカウント・ベイシー・オーケストラを聞くようになりました。またライブも見に行くようになりました。
何と言ってもカウント・ベイシー・オーケストラが楽しいのはその音量です。ライブに行って第一曲目でラッパの音が
鳴り響くと、それだけで楽しくなってきます。ドラムのハイハットシンバルのカツーンという小気味良い音、ベースの
テンポ良い響き、自然と体が揺れてしまいます。
加えてビジュアルの楽しみもあります。演奏者の顔つきや、たまに彼らが行うパフォーマンスを見ることができ
ます。カウント・ベイシー・オーケストラは平均年齢が高いようですが、演奏している人たちがそれは楽しそうに
弾いています。見ているこちらも楽しくなってしまいます。まるで「この曲好きなんだよね」、「あいつ、今日はどんな
フレーズを吹くのかな」とでも言ってるようです。これはLPを聞いているだけでは分らないことです。
私がライブを見に行くようになったのはカウント・ベイシーが亡くなった後です。このバンドの素晴らしいところは
進化しながらも、なおその息吹を継承している点です。私は普段はLP,CDで昔のカウント・ベイシー・オーケストラ
を聞いていますが、ライブを聞きに行っても違和感ありません。また、ライブから帰ってきてLP,CDを聞いても
違和感なく聞けます。
また、もう一つ特筆すべきはその安定感です。何回かライブに行っていますが、今日の出来はいまひとつということ
がありません。毎回楽しい気持ちになることができます。これぞプロの技です。
残念なのは今回の公演(2001年10月)でリーダーのグローバー・ミッチェルが入院のため来日できなかったこと
です。カウント・ベイシーと一緒にプレーしていた人たちが徐々に減っていくなか、オーケストラの音楽が変わらない
ことを願うばかりです。
2003年11月追記)
残念ながらグローバー・ミッチェルは2003年8月に亡くなりました。次のバンドリーダーは未定です。