Rush


今回は、私と同年輩、もしくは古い車をお好きな方にお勧めしたい映画「ラッシュ」のご紹介です。現在公開中のこの映画は、
1976 年の F1 チャンピンシップを争ったニキ・ラウダとジェームス・ハントの実話をもとにした物語です。

1976 年といえば、私は中学生でした。日本グランプリの開催後、新宿の住友ビルで F1 マシンの展示があるというので、何を思ったのか
見に行ったことを思い出しました。フェラーリがあったか記憶にないものの、マルボロ・カラーのマクラーレンと青い 6 輪の
タイレルを見た記憶があります。

それはさておき、このページを見てくださっている方にこの映画を強くお勧めしたい理由は 3 つあります。

1. 70 年代の外車を堪能できる

時代背景が 1960 年後半から 1970 年代中盤にわたっています。F3 から F1 マシンは当然のこと、レース場以外の場所で登場する車も、
ミニ、ロールス・ロイス、プジョー、シトロエン、BMW、アルファロメオと、少し古い外車好きにとってはたまりません。以外なことに、
外車だけではなく、国産車も登場するんですよ(何が登場するかは見てのお楽しみ)。

2. 60 年、70 年代のフォーミュラ・マシンを堪能できる

当然のことながら、葉巻型の F3 マシンから 70 年代の本物の F1 マシンが大挙登場します。残念ながら、車が走る 1 カット 1 カットが
短いため、車の撮り方という点では、TV 番組の「トップ・ギア」の撮影クルーの方が上手だと思います。しかし、当時のレース場の看板、
観客までもそっくり再現した贅沢な映像という点で、この映画にかなう画像はありません。

3. 映画自体がよくできている

この映画の監督はロン・ハワードです。車好きの方にはなじみがないかもしれませんけれど、「バックマン家の人々」、「バックドラフト」、
「遥かなる大地へ」、「アポロ 13」なども監督したアカデミー賞受賞監督です。車好きが作ったのではなく、映画のプロが作った映画なので、
映画として立派な人間ドラマになっています。F1 はあくまでも舞台にすぎません。

したがって、前提知識のない方と行っても、話だけで楽しめることは間違いありません。でも、R12 指定になっていることから分かるように、
若干のエログロ・シーンはあるためお子さん連れで見に行くことはお勧めしません。

この映画、いい映画だと思います。珍しく新聞や雑誌の評価も高いようですけれど、モータースポーツ全般に対して評価が低い日本の常として、
「絶賛上映中」ではないように感じます。なので、上映が終わらないうちに早く見に行くことをお勧めします。
(2014 年 2 月 20 日)


E21 乗りの S 山さんとメールのやりとりをしていたら、1976 年当時、S 山さんはこの映画に登場する富士スピードウェイのまさにそのレースで
コース・マーシャルとして旗を振っていたことが分かりました。歴史の一部をご覧になっていたわけです。
(2014 年 5 月 6 日追記)