いざ高松へ



そうこうするうちにチャンスがやってきました。カミさんが実家(愛媛県)に帰る用事があり、それに

ついていくことにしました。ちょうど、知り合いの娘さんが社会勉強のために高松に住み始めた

ので、様子を見に行くという理由もこじつけて、帰りは松山から高松経由で東京に帰ることになり

ました。

クルマで松山から高松に向かったため、まずは金毘羅さんによります。しかし、この時点で不覚

にも「恐るべき」を入手していなかったため、どこの店に入っていいか分りません。門前町のため、

店は腐るほどあります。試しに入ってみましたが、感動するほどのものではありません。

やはり観光地は期待できません。

その日は高松に泊まり知り合いの娘さんと会いました。都会の生活に毒されているのではないか

という心配をよそに、19歳の娘さんは驚くほど自分をしっかり確立していました。19歳とはとても

思えないその態度にうどんを食べにきた能天気な夫婦は深く反省です。

翌朝はその娘さんに薦められて、彼女が働いている法然寺にうどんを食べに行きました。ここは

うどん屋でも何でもないのですが、お寺の境内に簡易食堂があります。そこのうどんです。

300円もしないうどんですが、昨日の金毘羅のうどんよりはるかにおいしいうどんです。これぞ、

讃岐うどんの面目躍如です。この日は昼には飛行機に乗るため、使える時間はあとわずかです。

昨晩買った「恐るべき」を元に空港に近いうどん屋を攻めます。ところがなんということでしょう、

製麺所系うどん屋は日曜日が休みです。しかたなく、市内に戻って「大円」を探します。迷った末、

何とかたどりつきました。有名な「ぶっかけうどん」を注文します。いや、こりゃうまい。ついさっき

うどんを食べたばかりなのに、つるつるうどんが入っていきます。ナンというか、気がせいてしまって

ゆっくり食べることができません。あまりうまいので、これで勘弁するわけにもいかず、違うものを

注文してしまいました。結局、午前中だけで3杯うどんを食べたことになります。

私はどちらかというと小食なほうですが、この私をして、ここまで食べさせるとは。まさに讃岐うどん

「恐るべき」です。