先日、兄に連れられて西武池袋線練馬駅北口にあるうどん屋に行ってきました。店は新目白通り
沿いにありますが、時代に取り残されたような店構えで、やっているのかいないのか良く分り
ません。のれんに安という字を丸く囲った印が入っているだけで、店の屋号すら書いてありません。
店内はパイプ椅子とパイプ製のテーブルがおいてあるだけです。テーブルの上にはいまどき珍しい
パイプ印のマッチが置いてあります。何だか懐かしい匂いがするなあと思い、厨房を覗いて驚き
ました。大釜の下で薪が燃えているではありませんか。しかも、釜の反対側にはうどん打ちの台が
あり、おじさんがうどんを打っています。さすがにうどんが出るのに時間がかかりましたが、雰囲気
だけで、もうおいしく感じてしまいます。
注文した釜あげは白いゆで汁と一緒にドンブリに入っており、所謂、桶に入った釜あげとは
異なります。また、おつゆは別にでてこないので、カツオ節のだしが出たゆで汁に自分で醤油で
味付けをしなければなりません。うどんは武蔵野うどんの系統でしっかり歯ごたえがある重い
ものです。讃岐うどんのようにツルツルは入りませんが、これはこれでおいしく感じました。
もっとも、頼んだ大盛りは予想以上に量が多く、最後は食べるのが精一杯になりました。次回は
普通盛りで試してみたいものです。
讃岐うどんをきっかけに武蔵野うどんもそこそこ食べに行ったのですが、まさか、東京23区内に
このようなうどん屋があるとは夢にも思いませんでした。店のおじさんからすれば、昔からずっと
同じことをしているので、驚くにはあたらないかもしれませんが、手打ち、薪を売り物にしていない
のがいいなあと感じました。今風のうどん屋だったら壁中に能書きを貼りそうです。それにしても、
練馬区恐るべしです。(2003年12月7日記)