田野畑山地酪農牛乳が安全でおいしい理由を、前の章で挙げたそれぞれのアピール・ポイントにあてはめて説明します。
(1)牛に関わるもの
@牛の種類
ホルスタインです。ジャージーは乳脂肪、乳たんぱく質の含有量が高いらしいのですが、ホルスタインよりも乳量が少ないことが
災いして、全国的に頭数が少ないようです。
A牛の飼料
放牧地に生えているニホンシバ、または採草地でとれる牧草しか食べません。このことは、輸入される牧草に使用されている防腐剤、
防カビ剤の心配がないことを意味します。配合飼料もあたえないため、抗生物質や遺伝子組み換えの心配もなく、
ましてや肉骨粉などが混入する余地はありません。
薬がかかった草を食べるということは、牛の体内を通過して牛乳に出てくる可能性があります。ところが、有機農法や自然農法を
うたっている牛乳でも、牛の飼料にまで言及している商品は多くありません。
田野畑山地酪農牛乳では、放牧地、採草地に薬剤をまくことはありません。牛は放牧地のシバ、採草地からとれる牧草しか食べて
いないので、薬が出てくる可能性はありません。
B牛の飼い方
年間通して、昼夜問わず完全放牧です。小屋に入れるのは朝と夕の搾乳時だけです。真冬でも牛は放牧地に放されているので
寒そうですが、牛は暑さに弱く寒さに強いそうです。
牛乳といえば、緑の牧草地で牛が草を食んでいるイメージです。しかし、それはあくまでイメージで、現代の酪農では、
大半の乳牛は小屋の中で飼われています。放牧に比べると狭い土地でたくさんの牛を飼うことができ、効率的ですからね。
フリー・ストールという小屋の中だけは歩き回れるようになっている方式もあるものの、太陽の下、起伏がある広い放牧地を自分の足で
歩き回り、草を食み、お腹がいっぱいになったら、横になって反芻できる田野畑山地酪農のような飼い方はほとんどありません。
田野畑山地酪農の牛の方がはるかに健康で、ストレス・フリーであることはお分かりになると思います。家畜の場合、
動物福祉(アニマル・ウェルフェア)の観点から論じられることはあまりなく、ましてや牛乳のアピール・ポイントにまで
挙げられている例は知りません。田野畑山地酪農牛乳では、牛にとっても幸せな環境が構築されています。
(2)牛乳の加工に関するもの
@殺菌方法
85 度 15 分の殺菌です。65 度の低温殺菌と比べると高温かもしれませんけれど、大手メーカーの 125 度などに比べると
大分低くなっています。殺菌については低温であればあるほど成分が破壊されないと理解しています。
しかし、以前、他社の低温殺菌牛乳と飲み比べた際、好ましくない匂いを他社製品に感じました。殺菌方法に起因するのでは
ないかと想像しています。低温殺菌の考えには大いに賛同するものの、味が変わってしまうのはどうでしょう。その点、
田野畑山地酪農牛乳には気になる匂いがありません。
A均質化
ホモジナイズドです。他社の商品では低温殺菌+ノンホモジナイズドでアピールしているものが多いように感じます。
B乳脂肪分
3.0% 以上と数値上は他社製品よりも低くなっています。ところが、脂肪分が少ないどころか多いように感じます。なぜかというと、
飲み終わったバックを開いて洗う際、一般的な牛乳はすぐに洗い流せるのに、山地酪農牛乳ではなかなか洗い流せないためです。
繰り返しになりますが、安全でおいしいのは、薬を使わず、田野畑に生えるシバ、草だけを食し、健康に暮らしている牛からとれる
牛乳だからです。
放射能の問題についても触れておきます。東日本大震災により福島の原発が爆発して以来、東北を産地とする農作物は風評被害に
遭っています。残念ながら、田野畑山地酪農牛乳もその例にもれません。
しかし、放射能で汚染されている事実はありません。放射能濃度は定期的に検査されており、いままで放射能が検出されていないことを
強調しておきます。
(13 年 9 月 26 日)